恋する女は綺麗さ~♪

何が起こったか

 地元に残る同級生でプチ同窓会が催された。

生活に潤いを求めるボンクラどもが、仲のいいAさんに声をかけ女性陣をかき集めてもらったのだ。

招集を受けたうちの、学生時代に地味っ子だったBさんがやたらと美人に変貌を遂げており、結果、参加した男の7人中3人が惚れるという事態になった。

無論、そのうちの1人は私である。

私の行動

 私はBさんが来ると聞いても顔を思い出すことはできていなかったし、アルバム等で確認することもしなかった。そんなことより、大勢で楽しく酒が飲めることが楽しみだった。ところがどっこい、美人が来たのでびっくりしてしまった。しかし、美人がいるからと言って品行方正にふるまえるほど、私は育ちが良くはない。ガバガバと酒を飲み、いつも通りクダをまいた。Bさんいいなと思ってはいたが、連絡を取ろうなどの考えは、この時点ではなかった。と言うか、なんか、恐れ多かった。

 同窓会はつつがなく終わり、家に帰って日課の考え事をしながら布団にもぐり込んでいた。

 明日も休みだが何をしよう。何も予定がない。どうせまたウダウダしているうちに日曜日は終わってしまうだろう。そうなれば、また一週間何もない休みを目指して堪える日々だ。ああ、月曜はあれをしなければだ。火曜までにはあれを終わらせて、水曜にはあっちに手を付け始めなければ……

 飲み会で賑やかだったあとにそんなことを考えていると、私は無性にさみしくなってしまった。アワアワしながら働いて、やっとこさ休みになってもやることといえば、吐きそうになるほど缶コーヒーを飲んだり、本屋をハシゴするぐらいだ。こんな1週間を繰り返して何回になるだろう。なにか、なにか楽しみがほしい……「まあ頑張るか」と思える楽しみが……

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、Bさんと遊びに行こう」

突拍子もない思いつきで日々を挽回しようとするのは、私の癖だ。

 

 そのあとの行動は早かった。その晩のうちに、やたらとBさんを可愛いかわいいと言っていた友人1に「Bさんのこと誘っていい?」と釘を刺しておき、Aさんに連絡してラインを教えてもらった。

 即日、Bさんに連絡をし、2人で遊びにいく日程等の交渉に入った。 

出席していた野郎どもには、遊びに行く旨を早めに報告した。できるだけ自分の恋模様をひけらかすことで周りへの牽制とするのは、私の常套手段である。

 

 

  以下に他2人の行動についても書くが、この時点では私は何も聞かされていなかったことである。私は一人で突っ走っている気でいたが、知らず知らずに恋の鞘当ての渦中にいた。そのことを知るのは、すべての決着がついた後のことである。

友人1の行動

 友人1は、1次会の時点で盛大に酔っぱらった。一番女慣れしていない男なので、楽しくなってしまったのかもしれない。

曰く「2件目に移動するときに、大丈夫?と耳元で言われたのがキタ」実に単純な男だ、と私は思う。そしてちょっとうらやましい。

 友人1は同窓会の後の車内の時点で「Bさんかわいかった」としきりに言っていた。しかし、本気で言っているのかノリで言っているのか釈然としなかったため、上記にある通り、私はBさんを誘う前に一言ことわりの連絡を入れていた。

 しかし、そんな釘打ちは不必要であった。なぜなら友人1はそこから何も行動する気がなかった。もともと女性に対して美しい幻想を抱いており、本人の中でのみ熱い思いをジュクジュクと培養しているタチで、現実に連絡を取ったり2人で会った場合、何をすればいいのかわからないという素晴らしく謙虚な男だった。皮肉でなく、彼に幸多からんことを。

 

 私からしてみれば、さっそくライバルが一人消えたので好都合だったとしか言いようがない。後になって不満や恋心を打ち明けられても、私の知ったことではない。もはや最初からライバルではなかったのでは?という疑問もあるが、あくまで大切な友人であるので、そこは考えないようにしておく。

友人2の行動

 曰く「2件目に移動中に、後ろから半袖寒くないのって覗き込まれたのがグッと来た」

 

 友人2の行動は、友人1のような内面の複雑な問題がかかわるものではなかった。

要は、Aさんと共謀して私を出し抜きにかかったのだ。同窓会の話をAさんに持ち掛け女性陣を集めることを取り付けたのは友人2であり、そこの繋がりが太いことは知っていた。私が話をひけらかした後の行動としては妥当と思う。

 友人2は、自分AさんBさん友人3(彼女持ち)での飲み会を画策し、AさんにBさんを誘ってもらうという、私とは真逆な実にソフトで当り障りのない方法をとった。「本当にお前より優位に立てる! と思ったよ」

 

 それはいいが、Aさんは、私にBさんの連絡先を喜んで教え、そのうえで相談を持ち掛けた友人2のためにBさんを飲み会に誘うという、ずいぶん気楽で、状況を見渡して面白がれる、しかも私にとって不利益なポジショニングにあったことについては思うところがある。

ここまで書いての考察

 かくして仲の良いボンクラ連中のなかで恋の鞘当てが始まり、早々に一人の脱落者を出し、私と友人2の一騎打ちの様相をなした。

 今回のことでの私の行動は、仲間内では賛否の割かれるところであった。お前は後先考えずに突き進みすぎる。お前の決断の速さと行動力はすごいと思う。など言われた。反論はない。

 

 ただ、話によればその場にいた私以外の野郎連中のなかで、友人1も2も含め、このへんの会話をよくしたらしい。ただ一人、何も知らずに猛然と行動していた私ももう少し器用にやればよかったと思わなくはない。できるできないは別問題だが。

 考えてみれば、私のひけらかしは人によっては宣戦布告と思えなくもない。私に何も知らせず、秘密裏に動いた友人2と出席していた野郎連中に思うところはなくはないが、言われていたらそれはそれで気になって面倒だったろう。言わないでもらえて感謝する。

 また、こういうときに人に相談できて、協力してもらえるパイプがあるのはうらやましいなと思った。

 

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コメント

  1. 楽しそうでいいな
    続報待ってます juyo

  2. やっぱ人間が一番面白い!続きはよ!

  3. 続きはよ!

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