僕の初恋を圧倒的ドブスに捧ぐ。

出会い

 高校の2年の夏に隣の席になったことが、出会いになります。

それまで、私は彼女の存在を認識できていませんでした。何せ、とても影の薄い人でしたから。

そのころ私は学年でも1、2を争うボンクラとして悪目立ちの限りを尽くしていたので、彼女に注意を向ける暇なく周囲の人たちに「またあいつがバカをやった。」を提供していました。

そんな時に、席替えで隣の席になり、気づけば毎日、何かしらしゃべるようになっていったのです。

 

美少女よ、そこのけそこのけ童貞が通る。

 私は今でも酒がなければ女性と話せない男です。

そんな男の高校2年のころなので、自分から話しかけることは不可能です。しかし、内心は話したくてたまらなくなっています。私には、日ごろネタを提供し続ける甲斐あって同性の友人は多くいました。そいつらと話しながら、そのうちの誰かが、自分の席の隣の人へ話を振ってくれる機会を、本当に本当にまだかまだかと待っていたのです。

 席替えから1カ月以上たち、その間毎日のように話しても、私は隣の席の女子の顔を知りません。

正確には、緊張のため直視できないので、視界の隅のぼやけた部分でしか見ていません。そのためぼやけた彼女の顔は、ミロのビーナスの両腕のようなものでした。

 

目覚め

 私は今までになかった花のある生活に目がくらんでいました。夜、布団に入って寝入るのを待っている間は、胸と股間がむず痒くなり、ビーナスの両腕にこすりつける妄想に耽りました。精子の臭いが充満していました。

 そんな毎晩の間にも季節は変わり秋になります。友人の意図せぬ助力もあり、隣の席の人と話すのにも慣れ、緊張もしなくなりました。そうすると、顔は上がり、周りがよく見えるようになります。

 私の心に一つの疑惑が浮かびます。

「隣の席の人は、ブスなんじゃないか。」

疑う心が暗闇に鬼を見せるのです。

 見出しタイトルは、尊敬する予備校の先生の言葉です。s先生は、この言葉に、自分を信じて受験勉強に励みなさい、という意味を込めたのでしょう。

しかし、私は勉強にも、隣の席の女子にも鬼を見ました。

暗いし、目は細いし、肌は浅黒くほくろが多い、髪も服装も他の女子に比べると、陰気で田舎臭く、洗練さのかけらもありませんし、何より顔の輪郭がブスそのものでした。

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コメント

  1. 読ませる文章やなぁ、次回作にも期待しとるで!

  2. 他人の過去話聞くの大好きなのでどぅんどぅん書いてください!

  3. 次回期待

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