【iiの地下室】サド補足 バタイユ『エロティシズム』

【iiの地下室】サド補足 バタイユ『エロティシズム』

バタイユがサドについての論文を書いていたのでそれを読みたい。

しかし、それにはまずバタイユ独特の「エロティシズム」という思想を理解せねばならない。今回はバタイユの「エロティシズム」について見ていこう。(自分なりの理解なのでがばがば、そこはご愛嬌♡)

いきなりだがこんな問題を提起してみたい。なぜわれわれは恋愛しようとするのだろうか、と。

相手のことがとにかく好きだから、退屈だから、性欲から、名声から、虚栄心から、広告から、などなど理由はたくさんあると思う。

バタイユの答えはこうだ。すなわち、「われわれは失われた連続性へのノスタルジーを持っている」からである、と。

われわれは不連続な存在なのだ。たとえば私とあなたがいるとする。私が痛みにもだえながら死につつあるとする。しかし、私が死んでもあなたは死ぬことはなく生きている。私は痛みにうめくが、あなたは私の痛みを知ることはない。

このように一個の存在と他の存在との間には深淵があり、不連続性があるのだ。

このめまいがするような深淵は、ある意味死なのだとバタイユは言う。しかし、めまいがすると共にこの深淵はわれわれを魅惑する。

この深淵に身を投げれば、他者との合一の可能性が見えてくるかのようなのである。死は存在の連続性への可能性をほのめかす。われわれは、われわれ自身に心底嫌気がさしているのだ。ちょうどフロイトが人間の地下においては、タナトス(自分から解き放たれる欲望)が働いていると指摘したように。

ここでいよいよバタイユの「エロティシズム」について考えていこう。

まずバタイユは、「エロティシズムとは、死におけるまで生を称えることだ」と言う。

まず明らかにしておきたいのは、エロティシズムは単なる生殖(子孫を繁栄させようとすること)とは異なるということ。ここでもう一度「死におけるまで生を称えること」に立ち返ろう。

バタイユは次のふたつのサドの言葉を引用する。

奥義は残念ながらあまりに明確なのだ。それだから悪徳にわずかでも根をおろした放蕩漢は、殺人がどれほど官能を刺激するか知っている。

死を淫蕩な発想に結びつけることほど、死と慣れ親しむための良策はない。

バタイユがサドの言葉をひいたのは、エロティシズムの領域は本質的に暴力の領域であり、侵犯の領域であることを伝えたかったからだ。

われわれにとってもっとも暴力的な事態はなにか。死である。われわれは日常、不連続な存在として合理的に物事を為している。目標をすえ、計画し、行為している。このときわれわれは自閉しているのだが、存在は確固なものであり、自らのできるだけ長い存続を願っている。しかし、死はこれらの努力を無にしてしまうのだ。

われわれは死を恐れるが、それと同時に魅惑されている。人がエロティックな欲望に移っていくとき、そこには死の魅力が作用しているのだ、とバタイユは言う。

エロティシズムは無用なもので、なにか生産することもないから日常生活において禁止されている。しかし、われわれはこの禁止を侵犯し、エロティシズムの運動へと移行する。そこでは、社会的で規則正しい形態、われわれの確固とした形態は危険にさらされている。

裸にするという行為は決定的である。裸にするということによって、閉じた不連続な状態から、連続性を追い求めようとする姿勢へとわれわれは移行する。バタイユは言う、「裸に引き続いて、裸を完全に自己喪失の状態へ導くエロティックな行為がなされるのならば、なおのこと自分を隠そうとする。裸にするということは、これが完全な意味を持っている諸文明のなかでみてみると、死なせる行為の相似物とは言わないまでも、死なせる危険性をともなわないこの行為の等価物なのである」と。

われわれは暴力によって、存在の自閉した構造を打ち破り、その暴力の渦中において互いを消し去り、同一の溶解の地点へ到達するのだ。
ほんのつかの間、連続性を感じたかのように思えるのである。自分たちの存在を傷つけ合うことによってのみ。

相手の傷口からは、死が垣間見えているのだが。

ながながとご付き合い、ありがとうございました! 大変わかりにくいと思いますので気軽に質問してくだせえ!

小説も書いてます。読んで♡
https://lowawareness.com/2019/08/19/%e7%b2%be%e7%a5%9e%e3%81%8c%e3%82%84%e3%81%b9%e3%83%bc%e3%81%a8%e3%81%8d%e3%81%ab%e6%9b%b8%e3%81%84%e3%81%9f%e5%b0%8f%e8%aa%ac/

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