【iiの地下室】 一冊目 『ソドム百二十日』

【iiの地下室】 一冊目 『ソドム百二十日』

表紙見ればわかる、やべー本やん!

だがそれがいい。この作品の作者マルキ・ド・サドは、サディズムという言葉の由来となった人。たぶん名前だけはみんな知ってると思う。侯爵の地位にあった彼は、数多くの犯罪行為に手を染め、牢獄へとぶちこまれた。
獄中、ひそかに蟻のような文字でこの物語を紙に書きつけたそうな。

あたまおかC

あらすじ

原作は未完であり、序文と第一部が完成しているだけらしい。

河出文庫、澁澤龍彦訳は序文のみが訳されていた。

あらすじとしては、ルイ十四世治下の末期、犯罪によって莫大な私財を築き上げたある公爵とその友だち三人が、人里離れた城館で四十二人の男女とともに、百二十日間におよぶ大饗宴をもよおす、といったものだ。草案によればこのうちの三十人が惨たらしい拷問の末に絶命するらしい。こわい。

序文において公爵とその友達三人はもちろん、その他饗宴への参加者に至るまでの人物像が描かれていた。
公爵と友達のところはまだエピソードがあったりするんだけど、なぶり者にされる老若男女は身体的特徴だとか、誘拐のプロセスとかしか書かれていなかったからめっさ読みにくかった。

いざ饗宴がはじまるぞ!ってところで終わってしまうのは残念だったけれど、序文を読むだけでもおよそ先の展開は予想がつくと思う。

感想

最初のほうでこの主要な登場人物たちは四人とも自分の娘と情愛を育んでいて、さらに四人の間で娘を交換し、夫婦になる、とあって頭が???となった。キャパを超えちまったんだね。

さらにこの四人はどちらかというと男色の方を好むようで、四人とも裁尾する仲だそうな。(裁尾とは後ろの方で楽しむことらしいです。) あ、美少年も誘拐してきます!

女性は物みたいにしか考えておらず、扱いがほんとにひどい。少しでもミスをおかすと拷問しようとする。

また彼ら四人の道楽者は美を愛するのだけれど、それと同じくらい醜いものも愛していた。というのは、彼らくらいになると美は慣れ親しみすぎて退屈きわまりないものになってしまい、より激しい刺激を求めるた結果、汚物を愛することになるからだそうな。彼らは悪臭芬々たる老人、排泄物を好むのである。ひよぇーーー

悪徳をむさぼる四人であるが、清々しくすぎてもはや嫌悪感がわかない。
もはや楽しくなってくるのである。
「時計じかけのオレンジ」のアレックスのような純粋悪なのだ。悪をなすには意志の強さがいる。そこに人は憧れを抱くのだと思う。そこにシビれるあこがれるぅーってね。

まとめ

もっと書きたいことがあるけれど、疲れたので最後にドストエフスキーの言葉を引用して終わろう。

美―――美という奴は恐ろしいおっかないもんだよ!つまり、杓子定規に決める事が出来ないから、それで恐ろしいのだ。なぜって、神様は人間に謎ばかりかけていらっしゃるもんなあ。
美の中では両方の岸が一つに出合って、すべての矛盾が一緒に住んでいるのだ。俺は無教育だけれど、この事は随分考え抜いたものだ。実に神秘は無限だなあ!
この地球の上では、ずいぶん沢山の謎が人間を苦しめているよ。この謎が解けたら、それは濡れずに水の中から出てくるようなものだ。ああ美か!その上俺がどうしても我慢できないのは、美しい心と優れた理性を持った立派な人間までが、往々聖母(マドンナ)の理想を抱いて踏み出しながら、結局悪行(ソドム)の理想を持って終わるという事なんだ。いや、まだまだ恐ろしい事がある。

つまり悪行(ソドム)の理想を心に懐いている人間が、同時に聖母(マドンナ)の理想をも否定しないで、まるで純潔な青年時代のように、真底から美しい理想の憧憬を心に燃やしているのだ。いや、実に人間の心は広い、あまりに広すぎるくらいだ。俺は出来ることなら少し縮めてみたいよ。

ええ、畜生、何が何だかわかりゃしない、本当に!理性の目で汚辱と見えるものが、感情の目には立派な美と見えるんだからなあ。一体、悪行(ソドム)の中に美があるのかしらん?・・・・
・・・しかし、人間て奴は自分の痛いことばかり話したがるものだよ。

ドストエーフスキイ『カラマーゾフの兄弟』

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コメント

  1. 興味持ってただけに読みたくなったわ…

  2. @メッセンジャー 
    くっそ読みにくかった。完訳あるから読むならそっちの方がよさげ。

    読んでくれてありがとなす!
    めっせさんのブログは寝てから読みます、すんません

  3. @ぽらぽら こわいものみたさってあるよね。文学のいいとこだと思うわ

  4. @ぺにお 
    似たような感じだと思いますね〜
    美といえど慣れ親しむと単純なものになってしまいますからね。愛し合うとき、より激しいものを求めようとすると、やはり醜の方へ向かうのだと思いますね。
    既存の価値観をぶち壊してくれるので

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